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ソウル・シーンのみならずポップスやロック、ジャズ・シーンにも 大きな影響を与えた名門レーベル=「モータウン」。ジャクソン・ファイヴにダイアナ・ロス&シュプリームス、テンプ テーションズ、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダーなど、偉人やヒット曲を指折り数えれば必ず誰かが引っかかる“レジェン ド生産工場”です。しかし今回は、一連の王道作品ではなく、モータウンに深く関わっ たアーティストのその後や、ルーツ・ミュージックとして掲げているモータウン・サウンドに挑 むカヴァー作品をピックアップしてみました。

マーヴィン・ゲイ
マーヴィン・ゲイ / 『ミッドナイト・ラヴ』

1984年、実父の手によって銃殺されてしまうソウル・レジェンド=マーヴィン・ゲイの生前ラスト・アルバム(1982年)。長らくモータウンの看板アーティストとして活躍していた彼が、移籍問題と離婚問題に直面し、共に大敗を喫する。コロムビア・レーベルへの移籍を果たすも、失意に陥った彼は、アメリカを離れ単身ドイツ〜ベルギーに渡り、裸一貫で再スタートを切った。そんな最悪な環境で生まれた作品こそ、後のブラック・コンテンポラリー・ミュージックの礎を築く②「セクシャル・ヒーリング」だった。モータウン黄金期を支えていた彼だったが、この作品が生まれるまでの長い間、結果は残せなかったものの、この曲は全米第3位を記録し、新天地での再起を誓った矢先の死だった。チープなリズムマシーンのループ、ボワボワのシンセと、これまでの流麗なサウンドではないものの、モータウン在籍時に培った豊かな音楽的知識をフルに生かし、全てを削ぎ落とした彼のシンプルなソウル・マインドがここにある。
アウト・ヒア・オン・マイ・オウン
ラモン・ドジャー / 『アウト・ヒア・オン・マイ・オウン

1960年代、フォー・トップスやダイアナ・ロス&シュプリームス、アイズレー・ブラザーズなどモータウン黄金期を築き上げたソングライター・チーム「ホランド=ドジャー=ホランドとして」活躍していたラモン・ドジャー。モータウンを離れ、ホランド兄弟と立ち上げたソウル・レーベル=インヴィクタス期を通過し、より理想的な制作環境で自身の音楽性を昇華させたソロ名義のデビュー・アルバムだ(1974年)。インヴィクタス時代からの盟友=マッキンリー・ジャクソン(ディオンヌ・ワーウィックやフリーダ・ペインを手掛けたことでも有名)と共にプロデュース・ワークを行ない、レイ・パーカー・Jr.(G.)やサックス奏者=アーニー・ワッツらとソウル・マナーに富んだ作品へと仕上げている。④「フィッシュ・エイント・ビッティン」⑤「トライング・トゥ・ホールド・オン・トゥ・マイ・ウーマン」と、ブラック系チャート第4位にランクインさせた。モータウン在籍時にみせた流麗なオーケストレーションが再び加わり、ドジャー節が炸裂した名盤だ。
モータウン2
マイケル・マクドナルド / 『モータウン2

スティーリー・ダンのツアー・メンバーからドゥービー・ブラザーズのリード・シンガーを務めたマイケル・マクドナルド。シリーズ第1弾が全米で150万枚を越えるセールスを記録した、自身のルーツであるモータウン・ナンバーに挑んだカヴァー・アルバム第2弾(2005年・全米アルバムチャート初登場第9位)。前作同様、彼が敬愛してやまないフォートップス、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ、ダイアナ・ロス、マーサ&ザ・ヴァンデラスといった60年代モータウン黄金期を支えた数々の名曲に、知性と洗練さを加えた21世紀型ブルー・アイド・ソウル・アルバムに仕上がっている。本作は、スティーヴィー・ワンダーやトニー・ブラクストンがゲストで参加、エイブラハム・ラボリエル親子、ネーザン・イースト、ヴィニー・カリウタといった触れ幅の広いセッション・ミュージシャンが、実にソウル・マナーに富んだプレイを披露している。
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